社会人の宅建試験勉強

【民法】総則

今回は、瑕疵ある意思表示による法律行為についてです。
ところで、法律行為(契約行為)はどのように成立するのか、ですが、原則をA不動産の売買契約を例に再確認しましょう。

@買主がA不動産を2,000万円で買いたいと思う。
A買主は売主に対し「A不動産を2,000万円で売ってほしい、買いたい」という。(買主の意思表示)
B売主が「分かった。2,000万円で売りましょう」と承諾をする。(売主の意思表示)
C上記AとBの意思表示が一致した時点で契約が成立する。

 と言った流れです。瑕疵ある意思表示とは、例えば本当は買いたくないのに相手に脅されて買いたいと言ってしまった場合や、だまされて買った、2,000万円で売るというつもりが間違えて200万円で売ると言ってしまった場合など、意思を表示する課程で何らかの問題がある場合のことです。

 このような意思表示をしてされた法律行為は「無効」または「取消しができる法律行為」となります。まずは、取消しできる法律行為からチェックしてみましょう。


原因 取消ができる概要
詐欺

・相手方の詐欺による意思表示は、これを取り消すことができる。
・第三者の詐欺によって意思表示をした場合は、取引の相手方がその事実を知っていたときに限り、その意思表示を取り消すことができる。

・Bの詐欺により、AがBに不動産を売却した。その後、詐欺による取り消しがなされる前に、Bはこの不動産をCに売ってしまった。この場合、AはCに対して契約の取消を主張できるだろうか。

 →Cが詐欺の事実を知らなかった。→契約の取消を主張できない。
 →Cが詐欺の事実を知っていた。 →契約の取消を主張できる。

・Bの詐欺により、AがBに不動産を売却した。その後Aは詐欺を理由に契約を取り消した。にもかかわらず、Bが第三者Cにこの不動産を売ってしまった。AはCに対して契約の取消を主張できるだろうか。

 →AとCの登記をした者勝ち。Cが不動産の所有権移転登記をした場合はAはCに対して契約の取消を主張できないし、逆にAが所有権移転登記をした場合は、Cに対して契約の取消を主張できる。

強迫

・相手方又は第三者の強迫による意思表示は、これを取り消すことができる。

・Bの強迫により、AがBに不動産を売却した。その後、強迫による取り消しがなされる前に、Bはこの不動産をCに売ってしまった。この場合、AはCに対して契約の取消を主張できるだろうか。

 →Cが強迫の事実を知っている、知っていないにかかわらず、契約の取消を主張できる。

・Bの強迫により、AがBに不動産を売却した。その後Aは強迫を理由に契約を取り消した。にもかかわらず、Bが第三者Cにこの不動産を売ってしまった。AはCに対して契約の取消を主張できるだろうか。

 →AとCの登記をした者勝ち。Cが不動産の所有権移転登記をした場合はAはCに対して契約の取消を主張できないし、逆にAが所有権移転登記をした場合は、Cに対して契約の取消を主張できる。

簡単に書こうとしても、長くなるので、法律用語を使って上記を再度整理

第三者による詐欺又は強迫 取消前の第三者との関係 取消後の第三者との関係
詐欺 相手方が悪意の場合のみ取消ができる。善意の場合は取消できない。 善意の第三者には対抗できない。悪意の第三者には対抗できる。 対抗関係に立つ。すなわち、対抗要件を備えた方が所有権を主張できる。
強迫 相手方の善意・悪意問わずに取消できる。 善意・悪意を問わず対抗できる。 対抗関係に立つ。すなわち対抗要件を備えた方が所有権を主張できる。

次は『無効となる意思表示』についてですが、ポイントのみ表にしていきます。

心理留保

【原則は有効】
【例外(無効)】相手方が悪意のとき、または過失あるときは無効となる。

無効となる場合は、第三者に無効を対抗できる。
虚偽表示 【無効】
【例外の有効となる場合】
善意の第三者には無効を対抗できない。
錯誤 【原則は無効】(法律行為の要素に錯誤があった場合)
【例外(有効)】表意者に重大な過失があった場合は有効となる。
無効となる場合は、第三者に無効を対抗できる。

 


 

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