社会人の宅建試験勉強

【民法】総則

【代理】

★代理行為の要件及び効果
代理人がその権限内において本人のためにすることを示してした意思表示は、本人に対して直接にその効力を生ずる。

・第三者が代理人に対してした意思表示についても同様に、本人に対して直接にその効力を生ずる。

※この「本人のためにすることを示さなければならない」という考え方を「顕名主義」という。

★本人のためにすることを示さない意思表示
・代理人が本人のためにすることを示さないでした意思表示は、自己のためにしたものとみなす。

・ただし、相手方が、代理人が本人のためにすることを知り、又は知ることができたときは、本人に対して直接その効力を生ずる。

※本人のためにすることを示さず、相手方も本人のためにするということが分からなかった場合は、相手方と代理人とで契約したことになる。

★代理行為の瑕疵
・意思表示の効力が意思の不存在、詐欺、強迫又はある事情を知っていたこと若しくは知らなかったことにつき過失があったことによって影響を受けるべき場合には、その事実の有無は、代理人について決するものとする。

・特定の法律行為をすることを委託された場合において、代理人が本人の指図に従ってその行為をしたときは、本人は自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができない。本人が過失によって知らなかった事情についても、同様とする。

※本人が詐欺や強迫を受けていなくても、代理人が受けていれば契約を取り消しできる。
※本人が詐欺により契約をしようとする場合、代理人を使って特定のその契約をした場合は、代理人が詐欺だと知らなかったとしても、契約を取り消すことができる。

★代理人の行為能力
・代理人は行為能力者であることを要しない。

※例えば未成年者を代理人として契約をした場合、たとえその未成年者が法定代理人の同意を得ていないとしても、未成年を理由に契約を取り消すことはできない。
※代理人となるにあたっては法定代理人の同意が必要。代理人を受ける契約になるからである。ただし、一度代理人となれば、その代理権の範囲では法定代理人の同意を得ることなく、有効に契約ができる。

★権限の定めのない代理人の権限
・権限の定めのない代理人は次に掲げる行為のみをする権限を有する。
@保存行為
A代理の目的である物又は権利の性質を変えない範囲内において、その利用又は改良を目的とする行為

★任意代理人による復代理人の選任
・委任による代理人は、本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事情があるときでなければ、復代理人を選任することができない。

★復代理人を選任した代理人の責任
・代理人は、復代理人を選任したときは、その選任及び監督について、本人に対してその責任を負う。
・代理人は、本人の指名に従って復代理人を選任したときは、上記の選任及び監督についての責任を負わない。ただし、その代理人が、復代理人が不適任又は不誠実であることを知りながら、その旨を本人に通知し又は復代理人を解任することを怠ったときは、この限りでない。

法定代理人による復代理人の選任
法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。この場合において、やむを得ない事由があるときは、その選任および監督についての責任のみを負う。

復代理人の権限等
・復代理人は、その権限内の行為について、本人を代表する。
・復代理人は、本人及び第三者に対して、代理人と同一の権利を有し、義務を負う

自己契約及び双方代理
 同一の法律行為については、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることはできない。ただし、債務の履行及び本人があらかじめ許諾した行為については、この限りでない。
 
※原則としては自己契約及び双方代理契約は禁止。

代理権授与の表示による表見代理
 第三者に対して他人に代理権を与えた旨を表示した者は、その代理権の範囲内においてその他人が第三者との間でした行為について、その責任を負う。ただし、第三者が、その他人が代理権を与えられていないことを知り、又は過失によって知らなかったときは、この限りでない。
 
※本当は代理権を与えていないのに、与えた表示をした場合は、善意無過失の第三者に対しては、その表見代理人のした行為について責任を負う。 

権限外の行為の表見代理
 代理人がその権限外の行為をした場合において、第三者が代理人の権限があると信ずべき正当な理由があるときについても、上記と同様に本人は当該代理人がした行為について責任を負う。

代理権の消滅事由
・代理権は、次に掲げる事由によって消滅する。
@本人の死亡
A代理人の死亡又は代理人が破産手続開始の決定若しくは後見開始の審判を受けたこと。
・委任による代理権は、上記の@Aの事由のほか、委任の終了によって消滅する。
 
※本人が破産手続き開始の決定、後見開始の審判を受けても代理権は消滅しない。
※代理人が後見開始の審判を受けた場合には代理権は消滅するが、保佐開始の審判や補助開始の審判を受けても代理権は消滅しない。

代理権消滅後の表見代理
 代理権の消滅は、善意の第三者に対抗することができない。ただし、第三者が過失によってその事実を知らなかったときは、この限りでない。

無権代理
・代理権を有しない者が他人の代理人としてした契約は、本人がその追認をしなければ、本人に対してその効力を生じない。
・追認又はその拒絶は、相手方に対してしなければ、その相手方に対抗することができない。ただし、相手方がその事実を知ったときは、この限りでない。

無権代理の相手方の催告権
無権代理行為があった場合において、相手方は、本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認をするかどうかを確答すべき旨の催告をすることができる。この場合において、本人がその期間内に確答をしないときは、追認を拒絶したものとみなす

無権代理の相手方の取消権
 代理権を有しない者がした契約は、本人が追認をしない間は、相手方が取り消すことができる。ただし、契約の時において代理権を有しないことを相手方が知っていたときは、この限りでない。

無権代理行為の追認
 追認は、別段の意思表示がないときは、契約の時にさかのぼってその効力を生ずる。ただし、第三者の権利を害することはできない。

無権代理人の責任
・他人の代理人として契約をした者は、自己の代理権を証明することができず、かつ、本人の追認を得ることができなかったときは、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。
・他人の代理人として契約をした者が代理権を有しないことを相手方が知っていたとき、若しくは過失によって知らなかったとき、又は他人の代理人として契約をした者が行為能力を有しなかったときは、上記の責任は負わない。

単独行為の無権代理
 単独行為については、その行為の時において、相手方が、代理人と称する者が代理権を有しないで行為をすることに同意し、又はその代理権を争わなかったときに限り、無権代理と同様に扱う。代理権を有しない者に対しその同意を得て単独行為をしたときも、同様とする。

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