【民法】物権
【総則】
・物権は、この法律その他の法律に定めるもののほか、創設することができない。
・物権の設定及び移転は、当事者の意思表示のみによって、その効力を生ずる。
・不動産に関する物権の得喪及び変更は、不動産登記法
(平成十六年法律第百二十三号)その他の登記に関する法律の定めるところに従いその登記をしなければ、第三者に対抗することができない。
※単に「この不動産の所有者です」と言っただけでは、第三者に所有権を主張することができない。登記が必要である。
※この場合の第三者とは取引について利害関係を持つ者を言う。
※この規定は第三者を保護するためなので次のような者は保護されない。したがって、登記なくして対抗できる。もしくは、そもそも対抗関係に立たない。
@不動産の売主
A嫌がらせの目的で登記をした第三者(背信的悪意者という。たちの悪い悪意者。)
※単なる悪意者に対しては、登記がなければ対抗できない。
・動産に関する物権の譲渡は、その動産の引渡しがなければ、第三者に対抗することができない。
・同一物について所有権及び他の物権が同一人に帰属したときは、当該他の物権は、消滅する。ただし、その物又は当該他の物権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。
・所有権以外の物権及びこれを目的とする他の権利が同一人に帰属したときは、当該他の権利は、消滅する。この場合においても、その物又は当該他の物権が第三者の権利の目的であるときは、この限りでない。
・これらの規定は、占有権については、適用しない。
※A所有の土地に、Bを権利者とする抵当権が設定されている場合。BがA所有の不動産を取得した場合は、自分の不動産に設定された抵当権は意味がないから、混同により消滅する。
※ただし、その抵当権自体を担保に抵当権を設定している場合や、後順位に抵当権が設定されている場合は、混同により消滅しない。
【占有権】
・占有権は、自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得する。
・占有権は、代理人によって取得することができる。
・占有権の譲渡は、占有物の引渡しによってする。
・譲受人又はその代理人が現に占有物を所持する場合には、占有権の譲渡は、当事者の意思表示のみによってすることができる。
・代理人が自己の占有物を以後本人のために占有する意思を表示したときは、本人は、これによって占有権を取得する。
・代理人によって占有をする場合において、本人がその代理人に対して以後第三者のためにその物を占有することを命じ、その第三者がこれを承諾したときは、その第三者は、占有権を取得する。
・権原の性質上占有者に所有の意思がないものとされる場合(例えば賃貸借契約に基づき占有する場合)には、その占有者が、自己に占有をさせた者に対して所有の意思があることを表示し、又は新たな権原により更に所有の意思をもって占有を始めるのでなければ、占有の性質は、変わらない。
・占有者は、所有の意思をもって、善意で、平穏に、かつ、公然と占有をするものと推定する。
・前後の両時点において占有をした証拠があるときは、占有は、その間継続したものと推定する。
・占有者の承継人は、その選択に従い、自己の占有のみを主張し、又は自己の占有に前の占有者の占有を併せて主張することができる。
・前の占有者の占有を併せて主張する場合には、その瑕疵をも承継する。
・占有者が占有物について行使する権利は、適法に有するものと推定する。
・善意の占有者は、占有物から生ずる果実を取得する。
・善意の占有者が本権の訴えにおいて敗訴したときは、その訴えの提起の時から悪意の占有者とみなす。
・悪意の占有者は、果実を返還し、かつ、既に消費し、過失によって損傷し、又は収取を怠った果実の代価を償還する義務を負う。
・暴行若しくは強迫又は隠匿によって占有をしている者について準用する。
・占有物が占有者の責めに帰すべき事由によって滅失し、又は損傷したときは、その回復者に対し、悪意の占有者はその損害の全部の賠償をする義務を負い、善意の占有者はその滅失又は損傷によって現に利益を受けている限度において賠償をする義務を負う。ただし、所有の意思のない占有者は、善意であるときであっても、全部の賠償をしなければならない。
・取引行為によって、平穏に、かつ、公然と動産の占有を始めた者は、善意であり、かつ、過失がないときは、即時にその動産について行使する権利を取得する。
・占有者が占有物を返還する場合には、その物の保存のために支出した金額その他の必要費を回復者から償還させることができる。ただし、占有者が果実を取得したときは、通常の必要費は、占有者の負担に帰する。
・占有者が占有物の改良のために支出した金額その他の有益費については、その価格の増加が現存する場合に限り、回復者の選択に従い、その支出した金額又は増価額を償還させることができる。ただし、悪意の占有者に対しては、裁判所は、回復者の請求により、その償還について相当の期限を許与することができる。
・占有者は、以下の規定に従い、占有の訴えを提起することができる。他人のために占有をする者も、同様とする。
・占有者がその占有を妨害されたときは、占有保持の訴えにより、その妨害の停止及び損害の賠償を請求することができる。
・占有者がその占有を妨害されるおそれがあるときは、占有保全の訴えにより、その妨害の予防又は損害賠償の担保を請求することができる。
・占有者がその占有を奪われたときは、占有回収の訴えにより、その物の返還及び損害の賠償を請求することができる。
・占有回収の訴えは、占有を侵奪した者の特定承継人に対して提起することができない。ただし、その承継人が侵奪の事実を知っていたときは、この限りでない。
・占有保持の訴えは、妨害の存する間又はその消滅した後一年以内に提起しなければならない。ただし、工事により占有物に損害を生じた場合において、その工事に着手した時から一年を経過し、又はその工事が完成したときは、これを提起することができない。
・占有保全の訴えは、妨害の危険の存する間は、提起することができる。この場合において、工事により占有物に損害を生ずるおそれがあるときは、前項ただし書の規定を準用する。
・占有回収の訴えは、占有を奪われた時から一年以内に提起しなければならない。
・占有の訴えは本権の訴えを妨げず、また、本権の訴えは占有の訴えを妨げない。
・占有の訴えについては、本権に関する理由に基づいて裁判をすることができない。
※宅建試験では出題されないかもしれないが、占有の訴えについては本権に関する理由に基づいて裁判をすることはできないが、本権に基づいて反訴を提起することができる。
・占有権は、占有者が占有の意思を放棄し、又は占有物の所持を失うことによって消滅する。ただし、占有者が占有回収の訴えを提起したときは、この限りでない。
・代理人によって占有をする場合には、占有権は、次に掲げる事由によって消滅する。
一
本人が代理人に占有をさせる意思を放棄したこと。
二
代理人が本人に対して以後自己又は第三者のために占有物を所持する意思を表示したこと。
三
代理人が占有物の所持を失ったこと。 ・占有権は、代理権の消滅のみによっては、消滅しない。
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